(続)印刷屋は電子書籍の夢を見るか?

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昨日Facebookを覗いていると、刺激的なタイトルのシェア記事が目に飛び込んできました。

「新聞の印刷・宅配をやめ、電子端末を無料配布せよ」が現実に
米書店大手バーンズ&ノーブルがニューヨーク・タイムズ購読者にタダで電子端末「ヌック」を提供


内容は、アメリカの大手書店がニューヨーク・タイムズを定期購読する契約(月額19ドル99セント=約1,600円)を結べば、通常99ドルするモノクロ電子端末を無料で提供するサービスをはじめたというニュースを伝える記事で、もはやニューヨーク・タイムズ規模の新聞社が印刷・宅配を全面停止してそのコストを浮かせれば、700ドル以下の電子端末(iPadも買える!)を読者に毎年1台無料提供してもお釣りがくるという衝撃的な試算を披露しています。
CDが音楽配信に置き換わった音楽業界の例を引き合いに出すまでもなく、電子化の洗礼はひとたび大きなうねりが生まれれば、一気に世界中をのみこんでしまう可能性は非常に高いと言えます。

日本では、まだアメリカに比べると電子書籍化は表面上あまり進んでいないようにも見えますが、本の自炊代行業者の問題が大きく取り上げられていることからみても、現実には書籍をタブレットやスマートフォン、PCなどの電子端末で読む習慣が、若年層を中心に水面下では着実に根付いているように思います。

ちょうど1年半ほどまえに、このブログで「印刷屋や電子書籍の夢を見るか?」という拙文を書きましたが、当時はiPadが日本で発売されて1ヶ月ほど立った頃で、その記事のなかでは

とはいえ、まだ縦書きやルビの問題もあり、日本では電子書籍のフォーマットさえ決まっていない状況です。

と、当時の状況を述べていましたが、いよいよ昨年電子書籍の国際規格で事実上の統一規格になりつつあるEPUBの最新バージョンepub3が日本語の縦書きやルビに対応しましたし、iPad2発売、ソニーが新たな電子書籍リーダーを発表、アマゾンのキンドルも日本版発売の期待が高まるなど徐々にさまざまな条件が揃いつつあります。

印刷業界の場合、一人1台タブレット保有やTVのネット化などいくら電子化が進んでも、パッケージやラベル・包装紙など印刷以外に代替の利かない分野もたくさんありますが、それでも書籍をはじめ、カタログ・パンフレット・フライヤー(ちらし)などの販促ツールなど多くのアイテムが今後電子媒体に置き換わっていくでしょう。
環境問題やエネルギー問題の視点から考えてもそれはある意味正しい方向かもしれません。

一足早く電子化の洗礼を受けた音楽業界ですが、2011年には、CD販売は減少しながらもデジタル販売が過去最高を記録して2004年以来はじめてアルバム販売数が上向いたそうです。
紙であれ、デジタルであれ、要は中身のコンテンツが大事なわけで、そういう意味では私達印刷業界も、電子化の波をただ脅威として捉えるのでなく、逆に広く情報加工業・情報伝達業に関わる立場として、技術革新の一コマとしてとらえていく姿勢も大事なのかもしれません。


・・・・とここまで長々と言い訳をして、iPad2買っちゃいました(^_^;
アップル好きの私としてはここまで購入を我慢(ためらった?)したのはNewton以来で、iPhoneを既に持っている身としては、iPadを持つ意味をなかなか見いだせなかったのですが、やはり仕事に必要(?)という理由で昨日アップルストアの購入ボタンをクリックしてしましました。

今後はこのブログで電子書籍ネタも拡げていきたいとおもいますので、ご期待ください。

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プロフィール

堀尾武史
株式会社からふね屋 代表取締役

昭和36年生まれの丑年
京都生まれ京都育ちの印刷屋四代目社長。
小学1年から大学4年まで剣道にひたすら明け暮れ、一応各年代で全国大会には出場、入賞なども果たす。
同志社大学卒業と同時に親戚の印刷会社で修行、ここで大いにしごかれ現在に至る。
自社にあった活版印刷から写植、フィルム時代を経て現在のDTPまでひと通り印刷については経験、美しい印刷を愛す。
趣味はお酒とアート鑑賞、読書、音楽(JAZZ・ROCK・POP・REGGAE・CLASSICなどオールランド)、TV鑑賞(ガイアの夜明け・カンブリア宮殿・たけしアートビートなどがお気に入り)、ウォーキング。