今さら聞けない印刷用語集 その16「DICカラーガイド」

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オフセット印刷のインキは大きく分けて、4色カラー印刷用のプロセスカラー(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック」と特色印刷用があります。

そして特色印刷の際に印刷の現場に色指定を伝えるために使うのが、今回取り上げた「DICカラーガイド」です。
DICカラーガイとは、昔は大日本インキ化学工業という名前だった現在のDICグラフィックス株式会社というインキメーカーが発行している色見本帳のことで、印刷業界に限らず、ファッション、インテリア、プロダクトなどの幅広い分野で活用されていますのでご存知のかたも多いと思います。
特にグラフィックデザイナーや印刷会社の人間にとっては無くてはならないもので、これがなければ、お互いに色に関しての意思疎通が難しくなってしまいます。

実際印刷業界では、DIC(旧大日本インキ)だけでなく、東洋インキやサカタインクスなど沢山のインキメーカーがあって、それらのインキも使われているのですが、なぜかカラーガイドは1968年の初版が発行されて以来、このDICカラーガイドがデイファクトスタンダードとして広く普及しています。

ただ、世界的にみれば、ディファクトスタンダードはPANTONEであり、DICカラーガイドはほとんど海外の印刷会社やデザイナーには通用しないようです。
(因みにPANTONE社はインキメーカーではなく、最初から色見本帳を作る会社でした)

Pantone_Colorguide01.jpg

Pantone_Colorguide02.jpg

弊社では、一応PANTONEのカラーガイドも用意していますが、今のところはあまり使用する機会がありません。

DICカラーガイドは、下記の通り現在6シリーズ全10巻のラインナップが揃っていますが、弊社でももちろんこれらのすべてを保有しています。

  • DICカラーガイド(643色、1~654番、欠番あり)
    • 1巻(257色)
    • 2巻(244色)
    • 3巻(142色)
  • DICカラーガイド PART2(637色、2001~2638番、欠番あり)
    • 4巻(240色)
    • 5巻(240色)
    • 6巻(157色)
  • 日本の伝統色(300色、N-701~N-1000番)
  • 中国の伝統色(320色、C-1~C-320番)
  • フランスの伝統色(321色、F-1~F-322番、欠番あり)
  • グレイトーンカラーガイド(323色、G-1~G-323番)

カラーガイドの使い方は、印刷原稿の入稿時にデザイナーさんなどが、特色印刷の場合の色指定として、このカラーガイドのチップ(カラーガイドのそれぞれの品番にはミシン目が入っていて小さく切り離すことができます)を添えるのですが、昔は版下にカラーチップを貼って入稿することが一般的だったのですが、最近はデジタル入稿がほとんどのため、デザイナーさんからカラーチップを受け取ることはめっきり少なくなりました。
ただ、印刷会社では、印刷オペレーターへの指示として必ずプリンターの出力見本を添えますので、そこに指定色のカラーチップを今でも貼っています。


DIC_Colorguide02.jpg

そして、このカラーチップで指定された特色インキは、昔は印刷オペレーターが数種のインキを調合して手で練って作っていたのですが、最近は自動の調色機という便利なものがあるので、以前に比べて格段に色合せは楽になってきています。
それでも、カラーガイドはあくまでもアート紙に印刷した場合の発色見本ですので、異なる紙で印刷する場合はデータどおりに印刷しても同じような色目にならない場合も多々あるので、そのときは色調整に時間が掛かります。

f0111623_1034181.jpg  f0111623_10342930.jpg ←特色調色機

ところで、デザイナーさんがカラーチップを添えて入稿することが少なくなったと言いましたが、その代わりにイラストレーターなどで作られた入稿データのカスタムカラーでDICナンバーを使って指定されるケースは時々あります。

colorguide.jpg←イラストレーターのスウォッチ内のDICカラーガイド

ただ、イラストレーターのスウォッチ内にあるDICカラーガイドの色はあくまでもプロセスカラーの掛け合わせで設定した近似色なので、実際のチップの色とは大きな色差がある場合があります。
従って、例えばこのカスタムカラーで指定したデータを印刷しても実際のカラーチップの色とは色差があり、あくまでも目安やDICナンバーによる指示用としてしか使えませんのでご注意ください。

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プロフィール

堀尾武史
株式会社からふね屋 代表取締役

昭和36年生まれの丑年
京都生まれ京都育ちの印刷屋四代目社長。
小学1年から大学4年まで剣道にひたすら明け暮れ、一応各年代で全国大会には出場、入賞なども果たす。
同志社大学卒業と同時に親戚の印刷会社で修行、ここで大いにしごかれ現在に至る。
自社にあった活版印刷から写植、フィルム時代を経て現在のDTPまでひと通り印刷については経験、美しい印刷を愛す。
趣味はお酒とアート鑑賞、読書、音楽(JAZZ・ROCK・POP・REGGAE・CLASSICなどオールランド)、TV鑑賞(ガイアの夜明け・カンブリア宮殿・たけしアートビートなどがお気に入り)、ウォーキング。