今さら聞けない印刷用語集 その25「校正」

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以前の「今さら聞けない印刷用語集」では色校正を取り上げたことはありますが、今回は文字校正を中心に少し思うところを書いてみたいと思います。

文字校正と言えば印刷に欠かすことのできないものですが、昨今はインターネット上でも文字によるコンテンツが溢れていて、その分量だけでいえば印刷物をすでに凌駕しているかもしれません。

活版印刷時代だと、文選・植字を済ませ、校正機で刷ったゲラ刷りを、原稿(もちろん手書き)とつきあわせて読み比べ、その後は写植機から出力した印画紙を台紙にレイアウトした版下をコピーして校正していました。

それが、デジタル時代の昨今は原稿もWordなどテキストエディターソフトで入力したものを入稿、校正はPCや他のデバイスの画面などでPDFデータを見ながら行うことが増えてきました。

そして、校正作業のことを「赤を入れる」といいますが、実際に以前はゲラ刷りや版下コピーに校正した内容を主に赤ペンで書き込んでいましたが、最近は校正用に送ったPDFデータ上に校正内容を書き込んで保存して送り返すことも可能になっています。

ただ、校正をお願いする立場から言わせていただくと、「赤入れ」より合理的だと思われるPDF校正ですが、意外と紙に赤で書かれた校正の方が見やすくて作業効率がかえって良かったりするのです。(あくまでも個人的な意見ですが・・・・)

ですので、お送りしたPDFを一旦出力していただき、そのプリント紙に赤入れしたものをスキャンして返信、こちらでさらにそれをプリント出力してそれを見ながら修整作業を行うほうが若干手間が掛かりますが、結果的に修整作業の効率もよく、見落としや間違いも少なくなるように思います。

また、Wordなどで作ったテキストデータで入稿していだく方の中に時々いらっしゃるのですが、校正を戻すとき赤入れなど修整箇所を明示したものを返すかわりに、修整内容を反映したWordデータを再入稿していただく場合があるのですが、これはできれば止めていただきたいのです。

なぜなら、入稿していただいたテキストデータは、そこから製作側でレイアウトソフト上でフォントの種類や級数の指定、それに改行や字詰調整などの作業を経ているので、 校正後にまるごと差替えのテキストデータを渡されると、また一からレイアウト作業を全部やり直さないといけなくなるのです。

おそらく校正される側は良かれと思ってそういう形で戻されていると思うのですが、その場合はせめて修整した箇所のテキスト部分だけ赤など色を替えていただけますと大変助かります。

最後に、校正とよく似た言葉に「校閲」がありますが、その言葉の意味は少し違いがあります。
具体的には

  • 校正・・・原稿と見比べて間違いを見つけたり、また明らかな誤字脱字をチェックする
  • 校閲・・・原稿に書かれている意味や内容をチェックして誤りを修正する

という違いがあり、校閲のほうがより専門性が求められていて大手出版社などでは専門の部署を社内に持っています。

いずれにせよ印刷はもちろんのことインターネットの世界でも文字や内容の間違いは致命的な問題になる可能性があり、校正・校閲の重要性はこれからも上ることはあっても下ることはなくなりません。

ですので校正を出す側も見る側も、お互いに相手にとってわかりやすく、意図や意志が伝わりやすい方法を常に心がけたいものです。


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プロフィール

堀尾武史
株式会社からふね屋 代表取締役

昭和36年生まれの丑年
京都生まれ京都育ちの印刷屋四代目社長。
小学1年から大学4年まで剣道にひたすら明け暮れ、一応各年代で全国大会には出場、入賞なども果たす。
同志社大学卒業と同時に親戚の印刷会社で修行、ここで大いにしごかれ現在に至る。
自社にあった活版印刷から写植、フィルム時代を経て現在のDTPまでひと通り印刷については経験、美しい印刷を愛す。
趣味はお酒とアート鑑賞、読書、音楽(JAZZ・ROCK・POP・REGGAE・CLASSICなどオールランド)、TV鑑賞(ガイアの夜明け・カンブリア宮殿・たけしアートビートなどがお気に入り)、ウォーキング。