今さら聞けない印刷用語集 その1「くわえ」

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「くわえ」とは

活版・オフセット・スクリーン印刷など、技法は問わず枚葉印刷機にはかならず必要なものです。
印刷機に用紙を通す際、最初に印刷機の給紙(紙を印刷機の中へ送り出す部分)にある爪が用紙を挟んで引っ張ります。
そのとき爪が用紙を「くわえ」てひっぱるために必要な幅を「くわえ」と呼びます。

ちなみに機械によって「くわえ」に必要な寸法は異なりますが、だいたい10〜12ミリ程度がほとんどです。
そして大事なことは「くわえ」の部分はインキは全く付きません。

このことが一番わかり易いのは包装紙などで全面ベタの絵柄を印刷した時です。
下の画像のように用紙の全面に薄いピンク色を印刷しても、用紙の一辺のみ約10ミリの白い余白が必ず残ります。

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くわえとはりの関係

また、「くわえ」と関連する用語として「はり」があります。
「はり」は給紙の際に「くわえ」辺と90°の位置の辺を常に直角に給紙されるよう安定させるための機構のことです。

この「はり」と「くわえ」はその後の加工、例えば、断裁加工やトムソン加工などの見当合わせでも基準となります。
したがって印刷から次の工程に廻すときには、「はり」と「くわえ」の位置を申し送ることが義務づけられています。

ちなみに印刷物が正しい仕上げの位置からずれた不良品を「はり」が正しく機能しなかったという意味で、業界では「はり飛び」と呼んでいます。

くわえを気を付けないといけない印刷物

このように「くわえ」は印刷工程の中で非常に重要な要素ですが、通常は仕上がりサイズより大き目の紙に印刷してから後で仕上げ加工(断裁・製本・トムソンなど)を行うため、特に「くわえ」を意識してデザインやレイアウトを考える必要はありません。

ただ例外は既成品の封筒、名刺、ハガキなどに印刷する場合です。
この場合は仕上がりサイズ内に「くわえ」スペースが必要になりますので、これらの印刷物をデザイン・レイアウトする場合は、必ず四方のどれか一辺は端から約10ミリは文字や絵柄などを一切いれないようにしなければなりません。

実際に四方の内どの一辺が「くわえ」になるかは、印刷機やデザインの兼ね合いによって変わってきますので、必ず印刷会社に事前にご確認ください。

この記事は2008年9月26日に執筆したものを2017年4月16日に加筆・修整しました。

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プロフィール

堀尾武史
株式会社からふね屋 代表取締役

昭和36年生まれの丑年
京都生まれ京都育ちの印刷屋四代目社長。
小学1年から大学4年まで剣道にひたすら明け暮れ、一応各年代で全国大会には出場、入賞なども果たす。
同志社大学卒業と同時に親戚の印刷会社で修行、ここで大いにしごかれ現在に至る。
自社にあった活版印刷から写植、フィルム時代を経て現在のDTPまでひと通り印刷については経験、美しい印刷を愛す。
趣味はお酒とアート鑑賞、読書、音楽(JAZZ・ROCK・POP・REGGAE・CLASSICなどオールランド)、TV鑑賞(ガイアの夜明け・カンブリア宮殿・たけしアートビートなどがお気に入り)、ウォーキング。