絵葉書「京野菜」の最近のブログ記事

オリジナル絵葉書「京野菜」製作行程も第6回目です。

今回印刷に使用したのはハイデルベルグ社のプラテン印刷機です。
この『プラテン』という愛称の「ハイデルベルグ・ティーゲル」は80年以上も前に日本の印刷業界に導入され、それまで手ざしの印刷機しかなかった当時の印刷業界に自動給紙による大量印刷が可能になった印刷機として革命を起こしました。
最大A4サイズまでの小寸法の仕事ができるこのプラテン印刷機は国内でもっとも普及した活版印刷機だと思われます。

今では多くの印刷会社のプラテン印刷機はオフセット印刷の普及とともに引退し、展示されていたり処分されているものがほとんどではないかと思います。
弊社では今もまだ現役で活躍してもらっていますが、それもいつまで続けることができるかが最大の問題です。
高い技術を持った職人の高齢化による引退はもちろんのこと、早くて低価格の印刷が求められる今の時代の流れにどこまで対応できるかなど、瀬戸際まできているような気がします。

プラテン印刷機についてもっと詳しく知りたい方は朗文堂様のホームページにある、朗文堂 アダナ・プレス倶楽部内のコンテンツ「活版印刷用語集」に紹介されていますので、ご覧になってみてください。
朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

それでは、実際に印刷している様子を動画でご紹介いたします。

機械上部の大きなローラーでインキが練り伸ばされ、機械中央部に版が縦にセットされています。
細い日本のローラーが上下する際にセットされた版にインキが付き、ローラーが上部に戻るときに圧盤が版の方に移動し、プレスされます。
紙は画面右下のところに積まれていて、エアーにより吸い上げられると同時に圧盤の上についている羽が回転し、紙を挟んで圧盤の上に紙をセットします。



反対側から見た様子。
印刷された紙が刷り上がって積まれていくところ。
刷り上がった紙には細かい微量の澱粉のパウダーがかかっていて(画面ローラー部分に見える下向きにある小さなシャワーヘッドのような部分から噴射されている)印刷したての紙が重なりあっても裏側を汚さないようになっています。
前回の記事で説明しましたように、版に薄く2回インキを乗せ、1回プレスするということをしているので、よく見ると羽部分が2回回転するごとに一枚刷り上がっていることが分かります。
左下に職人の手が少し見えますが、レバーを引くと圧がかかり、レバーを中に戻すと圧がかからないようになっています。なので、紙が版面についている際はレバーが引かれていて、印刷されていることが分かると思います。


最後に、全6回にわたりご紹介しました「京野菜絵葉書ができるまで」は今回で最終回です。
京野菜絵葉書はGALLERY & SHOP 唐船屋にて販売しております。またその他にもオリジナルの商品をご紹介しておりますので弊社のオンラインショップも是非ご覧になってみてください。
GALLERY & SHOP 唐船屋


また、活版印刷のご依頼や御見積に関しては弊社にご連絡ください。
参考までに以前の記事に見積の一例をご紹介しておりますので、そちらもご参照ください。
活版(凸版)印刷 (その7)


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オリジナル絵葉書「京野菜」製作行程の第5回目です。

凸版印刷にも得意、不得意なことがあります。細い文字や線などを印刷するのは得意としていますが、ベタ面の多い印刷は難しくなります。
例えば、右の鹿ヶ谷かぼちゃのハガキですが、真ん中のあたりにベタの面積が多いところがあります。ベタの面積が広いと、どうしても擦れたり、印刷ムラが出易くなります。
通常なら、インキつぼを調整してインキの量を増やしたり、プレスする圧を強くしたりして調整します。でも、そうすると細かい網点の部分もインクが多くついてしまったり、必要以上に圧がかかりすぎてしまい滲んでしまったりする。
そこで、今回はローラーに薄めにインキを二度のせて、一度ブレスする方法を職人が提案してくれました。




プラテン印刷機にセットされた鹿ヶ谷かぼちゃの亜鉛板。



印刷中。



刷り上がったものが機械の右側に出てくる。左側に写っているのが職人の手。ここにレバーがあり、圧をかけたり外したりできるようになっている。今回は二度インキを盛るので、それに合わせてレバーを引いたり入れたりしている。



他の野菜も刷り上がった状態。



最後に文字の版をセット。



同じように試し刷りで細かく位置を確認する。



全て文字も刷り上がって乾燥しているところ。



刷り終わった版は奇麗に拭き取り、保管しておく。




「京野菜」絵葉書の詳細やお求めは、
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オリジナル絵葉書「京野菜」製作行程の第4回目です。
前回に引続き、印刷工程を説明します。

今回、印刷に使用したのは、
ハイデルベルグ プラテン活版印刷機(平圧式)です。
印刷機の紹介は以前の記事にありますので、そちらをご覧ください。
活版(凸版)印刷 (その4)





万願寺とうがらしの亜鉛板を糸のこぎりでカットし、セットしている様子。



インキ台の上で使用するインキを練り合わせるところ。



プラテン印刷機のローラーにインキを盛ります。
数本のローラーによって、均一に延ばされます。



紙をセットします。紙は左手前にあるチューブがバキュームに繋がっており、空気を吸い込む力で紙が持ち上げられます。



刷っている瞬間の画像。
画像手前の部分で紙が持ち上げられ、画像真ん中部分の版がセットされたところで印刷され、画像右奥の部分に刷り上がりが積まれてゆきます。



試し刷りです。
トンボがついているものはコンピュータ上でシュミレーションした印刷見本。それと見比べながら、位置や色見を確認する。



本刷りしたものを乾燥させているところ。




「京野菜」絵葉書の詳細やお求めは、
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オリジナル絵葉書「京野菜」製作行程の第3回目です。
前回まではデジタルカメラの画像を加工し、凸版用のデータを作成するための行程でしたが、今回からは実際に印刷の行程です。

凸版印刷では現在、樹脂版か亜鉛板を使用します。
今回、京野菜の絵葉書は亜鉛板を使用しました。
凸版(樹脂版・亜鉛板)についての詳しい内容は以前の記事でもご紹介しておりますので、ご参照下さい。
活版(凸版)印刷 (その1)




前々回に作成した野菜画像のデータを元に亜鉛板を作成してもらいました。
版の断裁もお願いすることは可能ですが、糸のこぎりなどを使って自分で切ることもできます。


版の拡大画像(賀茂なす)。表面が緑色に光っている部分は感光材が硬化した部分。この部分は腐食されないので凸部分になる。のこりは酸で腐食され削り取られて凹の部分になっている。
この凸の部分にインクが付いて紙に刷り取られるので凸版印刷という。


画像左:版の拡大画像(万願寺とうがらし)
画像右:テキスト部分の版。原稿とは逆に版が出来上る。
宛名面に使用する版が既に糸のこぎりで切り取られている。


宛名面は全はがき共通なので、全て印刷しておく。
印刷については、次回の京野菜イメージ部分の印刷工程で詳しくご紹介します。



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前回に引き続き、オリジナル絵葉書「京野菜」製作行程の第2回目です。

前回作成した野菜画像をレイアウトソフトを使用し、活版印刷の職人に渡す見本を作成します。今回はIndesign CS2にてレイアウトを作成。(通常はIllustratorで作成することの方が多いです)





はがきのサイズにドキュメントを作成し、前回作成した画像(万願寺とうがらし)を配置。刷り上がりの色を想定して緑の色をつける。最終的には活版印刷の職人と話し合いながら色を決定したので、今の段階では仮の色。
英文のテキストはフォント"Trajan"のRegular 20pt
和文のテキストは"ゴシックMB101"のRegular 5.5pt


耳付き和紙のはがきをスキャンで読み込んで下のレイヤーに配置し、細かいレイアウトをシュミレーションする。この時点まで弊社の船のマークが入ってるが、最終的には外すことにした。
万願寺とうがらしの画像は透明効果で"乗算"にする。活版印刷では下の和紙の色が多少影響するため。


より正確なシュミレーションにするために、網点を大きくしたとうがらしの画像に変更し、レイアウトの見本が完成。これを職人に渡して、刷る際の参考にしてもらう。
このとうがらしの葉書は印刷の際に水菜の葉書とより区別させるために、もう少し濃い緑色に変更した。


宛名面のレイアウト。こちらの面も凸版で印刷するため、位置と色指定のレイアウトを作成しておく。刷り色はバーントアンバーに近い茶系。


最後に、テキストの部分だけ集めて製版用(亜鉛板)のデータを作る。
亜鉛板の製版では面積によって価格が決まるため、できるだけ素材をまとめておく。
但し、文字と文字の間隔があまりに近すぎると後で断裁する際に困るので、ある程度の間隔は考えておく。
このデータで凸版を作成してもらう。

凸版の製版行程は以前の記事をご覧ください。
活版(凸版)印刷 (その2)
活版(凸版)印刷 (その3)



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弊社オリジナル絵葉書「京野菜」シリーズ。
今回から数回に渡って、この絵葉書が出来上がるまでの工程を紹介させていただきます。

この「京野菜」シリーズの絵葉書はすべて凸版で印刷しました。
まず第1回は、凸版用の原稿をコンピュータ上で製作する様子を紹介いたします。

なお今回、京野菜の元画像は、京都青果合同株式会社様より特別にご提供いただきました。


提供していただいた京野菜の画像(万願寺とうがらし)
デジタルカメラで撮影されたRGBの画像。


同じく水菜の画像


Photoshopにて切り抜きたい部分をパスで囲っているところ。



パスで囲めたら、画像を"RGB"からカラーモードを"グレースケール"に変換。



パスを選択範囲に変更し、周りの余分なものを消去したところ。



余計な余白を"トリミング"にてカットし、"トーンカーブ"でグレーバランスを調整。フィルタで"シャープネス"をかけ、画像解像度にて画像サイズを変更。
レイアウトするサイズを考えて、今回(万願寺とうがらし)は使用サイズを縦105mm×横80mm 解像度150pixel/inchに設定。


プリントしてみます。
今回は網点を大きくしたかったので、プリントプレビューで網点を設定。左側のプルダウンを"出力"にして、"スクリーン"を指定。ハーフトーンスクリーンの画面が出たら、"プリンタの初期設定画面を使用"のチェックを外し、"線数"を20、"角度"45度、"網点形状"を円にしてモノクロレーザープリンターで出力。


出力された万願寺とうがらしのイメージ。


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からふね屋

株式会社からふね屋は大正10年創業の印刷会社です。

からふね屋が運営している「紙と印刷」製品のショップです。

からふね屋の自費出版部門です。

1本からオリジナル扇子をつくることができます

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プロフィール

堀尾武史
株式会社からふね屋 代表取締役

昭和36年生まれの丑年
京都生まれ京都育ちの印刷屋四代目社長。
小学1年から大学4年まで剣道にひたすら明け暮れ、一応各年代で全国大会には出場、入賞なども果たす。
同志社大学卒業と同時に親戚の印刷会社で修行、ここで大いにしごかれ現在に至る。
自社にあった活版印刷から写植、フィルム時代を経て現在のDTPまでひと通り印刷については経験、美しい印刷を愛す。
趣味はお酒とアート鑑賞、読書、音楽(JAZZ・ROCK・POP・REGGAE・CLASSICなどオールランド)、TV鑑賞(ガイアの夜明け・カンブリア宮殿・たけしアートビートなどがお気に入り)、ウォーキング。