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一時はほんとうによく見かけた大豆油インキ使用を示す上図左の「ソイシール」ですが、最近あまり見かけなくなったと思いませんか?

そもそも大豆インキは、従来の印刷用インキに使用されていた石油系有機溶剤の一部を植物系の大豆油に置き換えて作られたもので、1990年代環境問題への意識が次第に高くなるなか、再生紙とともに日本国内でも急速に浸透していきました。

当初は少しインキが高かったり、乾きにくいなど通常のインキに比べて印刷適性が若干劣っていたこともあったのですが、その後ほとんどそれらの差がなくなり、また大豆油インキ使用を示す「ソイシール」商標の使用許可がほとんど無料であったことから企業や自治体、公共機関などを中心に積極的に再生紙使用マークとセットで表記するようになりました。

ところが2010年8月、ソイシールを管理するアメリカ大豆協会が「ソイシール商標の使用は2011年9月頃まで」と急に発表して、印刷業界に混乱が起こりました。
そんな中印刷インキ工業連合会も、地球温暖化に伴う異常気象等の影響による穀物凶作の多発や、バイオ燃料の需要が拡大する中、食料である大豆を環境対応型インキの原料とすることは望ましくないと考え、非食用の植物油まで対象を拡大した植物油インキというものを制定し(上図右マーク)、ソイマークに代って使用することを推奨しました。(2009年2月印刷見聞録「大豆油インキマークがなくなる?!」参照)

その後、前述のアメリカ大豆協会の発表は撤回され、現在でも「ソイシール」の使用は問題ないのですが、 以前このブログでも懸念していたように、最近は再生紙といっしょで、大豆油インキや植物油インキもわざわざ印刷会社などに指定しなくても、だんだん標準的に使われるようになり差別化に繋がりにくくなったこともあって、「植物油インキ」使用マークも含めてこれらのマークは以前よりは見かけなくなったわけです。

ところで、大豆油インキとか植物油インキと聞くと、100%含有と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば「植物油インキ」の場合、その定義は

インキ中に含有する植物油、または植物油を原料としたエステルとの合計が、含有基準量以上のインキ

と規定されていて、具体的にはインキ中の植物油含有基準量(重量%)は以下の通りです。

・新聞オフ輪インキ:30%以上
・ノンヒートオフ輪インキ:30%以上
・枚葉インキ:20%以上(但し、金、銀、パール、白インキ:10%以上)
・ビジネスフォームインキ:20%以上
・ヒートセットオフ輪インキ:7%以上
・各種UVインキ:7%以上
・フレキソインキ:植物由来のタンパク3%以上

インキの環境対応において最も注目されるのはVOC(揮発性有機化合物)の排出問題ですが、そのVOC排出削減という面でみて、大豆油インキ・植物油インキが最も優れているわけではなく、それらを上回るVOC排出抑制効果を持ったインキとして「ノンVOCインキ」というものがあります。

「ノンVOCインキ」は、石油系溶剤を全て植物由来の成分に置き換えたもので、環境負荷低減効果としては強い価値がありますが、まだまだ1%程度のシェアであり、環境報告書など環境に注目の集まる印刷物での採用にほとんど留まっています。

また他に、短納期化で最近注目されているUV印刷も使用するUVインキが無溶剤のためVOCを含んでいませんので、こちらも環境にやさしい印刷と言えます。

これからは、さらに環境対策が印刷にも強く求められる時代となっていくと思いますので、今後もインキだけでなく紙や設備、流通など印刷を取り巻くあらゆることでさらに環境について学び続け、常に意識を高めていたいものです。


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現在弊社では、デザインやDTP製作やWEB製作のために3台のMacが稼働しています。(その他にもファイル管理用NASサーバが2台、ファイルメーカー用サーバが1台、それにWindowsとMacのノートブックが各1台あります)
その中で現役最古参で9年目を迎えた、社員が使っているPower Mac G5の挙動がかなり不安定になってきたため、大事をとって新たにiMacの最新機種と入れ替えることになりました。

これまで使ってきたPower Mac G5は、現在のintelプロセッサ搭載前の機種で、CPUにPowerPCを採用していた最後のマシンですが、初めて64bitを採用し、筐体もそれまでのプラスティックに代ってアルミニウム合金が使われた当時最強マシンと謳われた機種です。

確かに非常に頑丈な上、マシンパワーもかなりあったので、途中でハードディスクは一度壊れましたが、その他はほとんどトラブルに見舞われることなくここまで思う存分働いてきてくれました。
ただ、ここのところになって、休み明けの朝に起動しようとしても1時間ぐらいぐずって立ち上がらなかったり業務に支障をきたす恐れがでてきましたので、いよいよここは入替え時と考えました。

新たに導入したのは、iMacの最新機種、27インチで2.9GHzクアッドコアIntel Core i5プロセッサ搭載のモデルです。
モニタはLEDバックライトディスプレイが採用されていて、明るく非常に美しい画面ですし、Intel Coreプロセッサも非常にパワフルでDTP作業には十二分な能力だと言えます。

ですから、従来のマシンに比べて、画面は広くなって(以前は21インチモニタを使用)、動作も非常に俊敏に感じるようになり作業効率がかなりあがって万々歳と言いたいところですが、実際は良い事ずくめではなく、いくつかの問題に直面してしましました。
(因みにこの機種はCD・DVDドライブも内蔵されておらず、外付け用を別に購入しなくてはならないし、キーボードも非常にコンパクトなかわりにテンキーが付いていませんが、その点についてはここでは触れずにおきます)

まず、このiMacにはOSは現在最新のOS X Mountain Lion、バージョンでいうと10.8が搭載されていますが、弊社が主にデザイン・DTP業務に使用しているAdobe Creative SuiteのバージョンがCS3とCS4で(現在の最新バージョンはCS6)、これらのアプリケーションの動作がすでに保証されていません。
実際、イラストレータCS3では、プリンタダイアログを選ぶと強制終了してしまうなどのトラブルが起こりました。(WEBで検索して一応対策は見つけましたが・・・)
またファイルメーカーも弊社ではバージョン10で運用(最新は12)していますが、こちらも新しいiMacからはサーバ側にある共有ファイルにアクセスすることができません。

さらに、OS X Lion(10.7)からはMacはFTPによるファイル共有のサポートを切り捨てたため、FTPを使った共有のシステムが使えなくなってしまいました。
実際にはターミナルを使ってコマンドを送れば使えるようにはなるのですが、それでも例えば、新しいiMacからは弊社の協力工場のデータ送受信用サーバはアクセスできなくなりました。
どうも協力工場側のサーバがMountain Lionを受け付けないようです。(Lionを搭載しているMacbookAirではつながるのですが・・・)

昔からPCや園周辺機器の入替の際にはこの手のトラブルはつきものですが、最近はハードもソフトもアップグレードやバージョンアップの周期が非常に早くなっていてそれぞれが1年に1回ペースになってきています。
ただ、周期が早い割にはそれに伴う利便性の向上などは余り感じられず、逆にバージョンが離れると互換性がすぐに失われ、サポートも切り捨てられてしまいます。

結局ユーザー側が常に最新機種や最新バージョンに揃えて運用することが望ましいのでしょうが、それにしてもベンダー側は、例えば、モリサワのパスポート導入時や、アドビのクラウドサービス提供開始期のように、それまで長くフォントやソフトを使ってきたユーザーから見ると少し理不尽と思えるような販売システムをこれまで採ってきました。
本来なら、「モリサワパスポート」のようなリースシステムを後から採用するのであれば、それまで高いフォントを購入してきたユーザーには(特に我々OCFやCIDの頃からのユーザー)には、もっと優遇措置をとるべきだと思いますし、クラウドによる販売の場合も、ユーザー歴によって価格割引のサービスがあってしかるべきだと思うのですが、ベンダーやメーカーの皆さんいかがでしょうか?

途中からなんだか愚痴のようになってしましましたが、なにはともあれ早く最新機種も使いこなして、より日々の生産性向上に社員一同一丸となって取り組んでいきたいと思います。

ところで、お役御免になったG5ですが、実は再リース契約がまだしばらく残っているので、現在は弊社ショップのウィンドディスプレイにモニタともどもデジタルサイネージ用に再利用され、余生を過ごすことになりそうです。

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前にこのブログで紹介しているように弊社では安全かつ効率的に運用するため、印刷用に編集するデータはすべてファイルサーバで一元管理しています。
ファイルサーバは社内LANに接続していて、社員は自分のクライアントPCからファイルサーバにアクセスして、各種データの製作、保存や共有、バックアップなどそれぞれの作業を行なっています。
また社内ネットワークと外部インターネット環境との間には、富士ゼロックスのbeatboxというファイアウォールサーバを配置してセキュリティにも配慮しています。

さて、そのファイルサーバが更新時期を迎えました。
ファイルサーバは記憶媒体として消耗品であるハードディスクを使っているので、どうしても安全性を考えると3年ぐらいで入れ替える必要があります。
弊社では先々代のファイルサーバから、ヤノ販売のNASサーバを活用していて、今回も現状のN-RAID「NR-2000GTS」から新たに「NR-5500K5T」という機種に乗り換えました。

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手前2台が今回導入の「NR-5500K5T」。奥は現在データ移行作業中の「NR2000GTS」。

今回新機種に入れ替えたことによって、データ容量が約1.5GBから約4.5GBと3倍になり、読出速度が約3.5倍、書込速度で約4倍高速になるほか、複数台のハードディスクを組み合わせるRAIDシステムが従来のRAID5からより堅牢なRAID6になり、ディスク障害へと対応がより強固になりました。

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RAID5は4台のハードディスクを組み合わせているのに対し、RAID6は上の画像のように5台のハードディスクを搭載しています。
よって、これまで1台のハードディスクが破損しても大丈夫だったのが、今回からは同時に2台壊れても、残りのハードディスクでデータはしっかり保護されることになります。

さらに従来通りこのNASサーバを2台用意し、1台をバックアップ用として運用することによって、さらにデータの安全性を高めています。


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いささか報告が遅れましたが、今月初めに弊社主催の印刷工場見学ツアーを実施しました。
第1回のツアーにご参加いただいたのは、弊社のお得意先様でもある淡交社様の主に編集部の皆様です。

ツアーのスタートはまずこのブログでも紹介した都写真製版所さんからです。

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まず、ドラムスキャナーを中心にスキャニングのレクチャーをお聞きいただき、

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UVインクジェットプリンタの実演をご覧いただきました。

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お約束の簾に淡交社様のロゴを出力しているところです。

次に井上印刷紙工さんに移動して、

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単色印刷機や、

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断裁機などをご覧いただき、

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そして今回事前に一番リクエストの多かった中綴じ製本機を見学いただきました。

最後は森田美術印刷さんに伺い、カラーマネージメントシステム(CMS)によってトータルに色管理している様子を見ていただきました。

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以上、約3時間ほどの行程で、駆け足のツアーでしたが、参加者の方々には非常に熱心に見学していただきました。
ご参加いただいた皆様にはあらためてお礼申し上げます。

弊社では、今後も随時このような印刷工場見学ツアーを実施していきたいと考えています。
ツアー催行人数は1回につき3〜7名様まで、最低でも1ヶ月以上前からお申込いただければ、日程調整をしたうえで実施いたします。
ツアーの内容も特にご覧になりたい工程などご希望に応じて協力工場の中からピックアップしてスケジュールを組ましていただきます。
また京都市内集合・解散であれば費用はいっさい掛かりませんので、興味のある方はぜひ下記までお問合わせください。

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電話      075-761-1166  
FAX       075-771-8539

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通常、再版つまりリピートオーダーがある可能性のある印刷物の場合、印刷会社ではその印刷物の版を一定期間保管しておくことが一般的です。
ちなみに印刷の版とは印刷技法によってその形態は異なります。

  • 活版印刷の場合は、凸版紙型それに端物の場合は組版のまま保存しておくこともあります。
  • スクリーン印刷の場合は、ポジフィルム、非常に再版頻度が多い場合はスクリーン版で残しておくこともあります。
  • オフセット印刷の場合は、以前はポジフィルムやネガフィルムで保管していましたが、現在はCTPが主流のため、データで保存していることがほとんどです。

また、アナログ製版時代は、製版フィルムや凸版をつくるための版下も保存の対象になっていました。

ところで、時々この印刷の版で問題になるのが所有権、すなわち版は発注者か、印刷会社かどちらのものかという議論です。
この問題が往々にして起こるのは、なんらかに事由で発注者が印刷会社から版の引取を要求されたときです。
というのも印刷会社が発注者に見積書や請求書を発行する場合、よく版代とか製版費あるいはデータ費などの項目を印刷費用と別途に計上していることが多いことため、発注者の方の立場からしてみれば、お金をちゃんと払っているのだから自分のものだと思われてしまうのが原因のようです。

ところがこの版代や製版費、データ費は、あくまでも版やデータを製作するためにかかった手間に対する製作作業料の請求であって、版の所有権までは含まれておらず、したがって出来上がった版やデータは制作側の成果物であり、版の所有権はあくまでも製作した側にあるのです。このことは法律的な裏付けもあり、また実際の裁判の判例も多数あります。
ただ所有権はあっても発注者の許可無く他の印刷物にこの版やデータを使用することはもちろん出来ません。

とういうことで、もしお客様から版やデータの引渡しを要求されても、印刷会社としては原則としてはお渡しすることはできないのですが、原則論はそうであっても実際の個々のケースでは、あくまでも2者間の取引の問題ですので、契約上双方の同意があれば引渡しも可能であることも申し添えておきます。

また版やデータの保管は双方で特に取り決めがない場合は特に義務が発生しているわけでもなく、あくまでも商慣習や制作側の善意やサービスであって、相当年数のあいだ再版発注のない版やデータは、発注者に通知することなく処分されるケースも多く、特にグラビア版やトムソンの木型などは形状が大きいため保管コストの問題もあり、比較的短い期間で廃棄処分になりますので注意が必要です。

最後に弊社の版・データ保管に対するスタンスですが、

  • 弊社で製作したデータについては現在2年間はバックアップも含めて2〜3重に保管いたしております。
  • 2年以上経ったデータについても物理的に可能な限り保管いたします。(但しバックアップはいたしません)
  • オフセット用製版フィルムに関しましては、今後対応が困難なため、原則としてデータでのみの保管とさせていただきます。
  • 版の製作も含めた外注案件については原則として外注先の規定に依存する場合もございますが、極力保管してもらえるよう外注先にはお願いしています。
  • 特に保管条件が付帯する場合は予め見積もりの段階でお知らせいたします。

その他不明な点はお気軽にお問合わせください。


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電話      075-761-1166  
FAX       075-771-8539


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スタジオ撮影

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お客様から印刷物に掲載する商品撮影の依頼があり、昨日は一日スタジオでお客様といしょに撮影の立会いをしていました。
普通の物撮りでサイズが比較的小さいものなどは弊社のスタッフが社内やお客様のところへ出向いて撮影したりすることも多いのですが、今回の場合、商品のサイズも大きく、また商品をセッティングしてもらうスタイリストさんも必要だったので、いつもお願いしているカメラマンさんのスタジオでの撮影となりました。
最近の撮影はほぼ100%と言っていいぐらいデジタルカメラを使用するのですが、デジタルによる撮影も本当に日進月歩で進んでおり、今回も驚いたのは、以前からノートブックパソコンを手元に置き、撮影画像の確認などをするのは当たり前だったのですが、今回はカメラに付属する専用のアプリケーションソフトを使い、カメラを触るのはピントとアングルを決める時だけで、あとはパソコンの前に座っており、露出調整やシャッターもパソコンで行っていたことです。

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メリットとしては、例えば建物の外と中を一緒に撮るとき、露出を変えた2枚の画像を合成するときなど、露出を触ったりするとき、微妙にカメラが動いてしまうことが避けられるほか、カメラ位置の関係で遠隔操作で撮りたい時(天井から真下を撮影の場合など)など便利だそうです。

撮影の方はおかげさまで順調に進み、予定より1時間ほどはやく終えることができました。


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皆さんもこのようなマークを目にされたことがたびたびあると思います。


このマークはアメリカ大豆協会というところが日本向けのアメリカ産大豆輸入促進策の一環として、大豆油インキを製造インキ会社あるいはインキを使用する印刷会社・広告代理店・印刷物制作会社に対し、インキ中の大豆油含有量が基準値をクリアしている証として使用を認めている「ソイシール」というものです。
(他に2種のマークがあり、上記の画像は印刷物に対して付与されるマークです)

認証さえ取れれば無期限かつ無料でこのマークを使用することができるため、再生紙とともに環境にやさしい印刷をアピールするのに大豆油インキは積極的に使われ、2003年の統計(印刷インキ工業連合会)では、年間インキ生産量約44・7万トンの33・2%を占める平版(オフセット)インキの67・4%が大豆油インキとなったほど急速に普及しました。
ところがソイシールの商標登録権を持ち使用許諾契約を行ってきたアメリカ大豆協会米国本部が使用許諾契約業務を終了するようで、ソイシール商標登録は2011年で有効期限が切れる可能性が高くなってきました。

そこで日本では印刷インキ工業連合会というところが、大豆油インキおよびソイマークに代わり、新たに植物油インキ(Vegetable oil ink)の定義及び、その準拠マークをこのたび制定しました。
今回定義された植物油とは、

再生産可能な大豆油、亜麻仁油(あまにゆ)、桐油(きりゆ)、ヤシ油、パーム油等植物由来の油、及びそれらを主体とした廃食用油等をリサイクルした再生油

であり、この植物油が含有基準量以上含まれるインキを植物油インキと呼ぶことになりました。

2008.01.27 印刷ジャーナル - 【Topics】印刷インキ工業連合会、植物油インキ定義と準拠マーク制定
↑ここでで新しいマークも見れます。


このマークは今年の2月1日から使用可能となったのですが、まだソイマークも現状では使用可能なわけですから、新しいマークが一般に認知されるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
しかもすでにオフセット印刷では7割近くまで大豆油インキが普及している現状では、植物油系のインキで印刷することの方がむしろ一般的になりつつあり、マークが積極的に使われるかも疑問符が付きます。


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原色版印刷

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▼ 土門拳 写真集『古寺巡禮』

オフセット印刷機によるカラー印刷が普及する以前は、カラー印刷も凸版式の印刷方式で刷っていました。
普通の活版印刷と同じ機械を使うのですが、版は主に銅版を使い、単色印刷と区別して「原色版印刷」と呼んでいました。
弊社でも昔はよく原色版も印刷していたようですが、オフセットの波に押され、最後に原色版で印刷したのはもう20数年前のことです。
今回ブログでこのテーマを取り上げるにあたり、工場に版が残っていないか調べてみたのですが、どうも活字を処分した際に原色版もすべて捨ててしまったようで、残念ながら見つけることはできませんでした。

原色版の工程は、4色に分解したフィルムを作るところまではCTP以前のオフセットによるカラー印刷と同じです。このフィルムを銅版に焼き付け腐食によるレタッチで調整した版で、1色ずつ印刷します。
こう書くと何か簡単そうに思えますが、実際は、今とちがってまずスキャナーというような便利なものはありませんでしたので(これはオフセット印刷の初期もそうでした)、製版カメラと色分解フィルターを使って4色分版フィルムを作成し、そのフイルムにマスキングやレタッチによって修正を加えて調整して版を仕上げていました。
そして印刷も1回に1色ずつしか刷れないので4色が刷り上がるまで最終の出来上がりが確認できない上、網点に対して印圧の調整も難しく、まさに職人が経験と勘の粋を尽くして印刷していました。
では、仕上がりはオフセットと比べてどうかというと、確かに網点も少し荒く、繊細な階調の表現には向きませんが、逆に凸版式独特の印圧や単色機による重ね刷りの効果から非常にボリューム感のある迫力いっぱいの印刷となります。

中でも原色版印刷の金字塔と言われるのが土門拳の傑作写真集『古寺巡禮』全五輯です。
1963年に第一輯が発行され1975年の第五輯刊行まで足掛け十三年を要して印行された限定二千部の希少本で、土門拳いわく「金と暇に糸目をつけなかった」という造本と相俟って、さながら現代の「嵯峨本(江戸初期、本阿弥光悦と俵屋宗達による装幀に意匠が凝らされた豪華本)」とでも呼ぶべき至宝です。

私は、この『古寺巡禮』の再版である「国際版」を所有していますが、原色版印刷の最高峰、光村原色版印刷(現:光村印刷)が総力を上げて取り組んだ写真版の美しさと迫力といったらそれはもう筆舌を尽くしても表現しきれません。

現在では、もうおそらく原色版で印刷できるところはほとんどないと思われますので、実際に原色版印刷を見ようと思えば古書を探すしかないでしょう。


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特色について

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印刷インキには大きく分けてプロセスインキと特色インキがあります。
プロセスカラーインキはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインキのことで、このインキを4色印刷機(昔は2色印刷機や単色印刷機の場合もありました)の各ユニットごとにセットして印刷するのがカラー印刷です。

一方特色インキは、プロセス・カラーで表現できない色(例:金・銀など)の印刷や、常に安定性が求められる印刷(例:包装紙やパッケージなど企業のアイデンティティカラーを表現)、3版以下で特殊な色表現をしたい時などに、主にいくつかのインキを調合して使用します。

このように印刷用途に応じてプロセスインキと特色インキを使い分ける訳ですが、これまでそれぞれの印刷価格はプロセスインキの1色と特色の1色では金・銀など特殊な色を除いて同じ値段であることが一般的でした。

これはよく考えれば不思議な話で、本来プロセスインキは特色インキにくらべ遥かに需要が高くそのためインキ自体の価格が安価な上、印刷するときも調合なしにそのまま機械にセットできますし、版が変わってもインキのセットはそのままで作業が続けられます。
それに対して特色の場合、もともとインキの価格がプロセスに比べて割高ですし、また印刷機にセットする前に色を調合して表現したい色に合わせる作業が必要になります。更に版が変われば、一旦前の版のインキを洗浄してから、次のインキをセットすることになります。

特に特色の調合は非常に微妙な調整が求められ、以前は職人の経験と勘が大きくものを言いました。
最近でこそ光学的に色を分析して自動的にインキを調合する機械がかなり普及してきて、以前よりは作業は楽になりましたが、それでも紙質やその日の温度や湿度など外部環境の影響も大きいため、常に安定した色を調合することは今でもかなり大変な作業なのです。
(右の画像は特色インキの調合機)

という訳で、プロセスカラー印刷と特色カラー印刷では、作業効率も材料原価もかなりの差があるのです。ですからインターネット印刷通販の業者でも完全に特色印刷に対応しているところは私の知る限りひとつもありません。また、一般の印刷業者の間でも特色印刷に対応しているところはどんどん減っており、今後特色印刷の価格体系は見直される可能性があります。


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beat

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現在印刷業務では、大量の印刷用データがファイルサーバとクライアントPCの間で運用されているのをはじめ、受発注・顧客データ管理、さらにはメールでの連絡・打ち合わせ・校正、FTPによる入出稿データの送受信など、毎日社内外のネットワークで、膨大な量の情報が出入りしています。

また経理などの基幹業務もデジタル化・ネットワーク化が急速に進んでいます。
一方これらのネットワークは、不正アクセス、ウイルス、スパイウェア、盗聴やなりすましなど、インターネットを通じて様々な脅威に脅かされています。
そこで、弊社では、半年ほど前からネットワークのセキュリティ対策として、富士ゼロックスの「beat」というサービスを導入しています。
具体的には、社内のネットワークの入口に「beat-box」と呼ばれるファイアウォールサーバを配置し、このサーバが24時間365日リモートで富士ゼロックスが運用するbeat-nocによって監視・更新されており、
完全遮蔽式のファイアウォールで不正アクセスをシャットアウト
通信パケットの内容や振る舞いを検査し、不正な通信を検知・遮断
社内の出入り口でウイルスの出入りやスパイウェアの侵入をシャットアウト
迷惑メールを自動判定
許可されていない外部PCによる社内外ネットワーク接続をシャットアウト

といった基本機能により情報漏洩リスクを大きく軽減しています。
もちろん100%の安全は保障されていませんので、慎重の上にも慎重な対応が必要なのは言うまでもありませんが、お客様からお預かりした大事なデータや社内データをスピーディかつ安全に運用できるため、業務の効率化にも大きく貢献しています。

なお「beat」についてくわしくはこちらへ
http://www.net-beat.com/index.html





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からふね屋

株式会社からふね屋は大正10年創業の印刷会社です。

からふね屋が運営している「紙と印刷」製品のショップです。

からふね屋の自費出版部門です。

1本からオリジナル扇子をつくることができます

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プロフィール

堀尾武史
株式会社からふね屋 代表取締役

昭和36年生まれの丑年
京都生まれ京都育ちの印刷屋四代目社長。
小学1年から大学4年まで剣道にひたすら明け暮れ、一応各年代で全国大会には出場、入賞なども果たす。
同志社大学卒業と同時に親戚の印刷会社で修行、ここで大いにしごかれ現在に至る。
自社にあった活版印刷から写植、フィルム時代を経て現在のDTPまでひと通り印刷については経験、美しい印刷を愛す。
趣味はお酒とアート鑑賞、読書、音楽(JAZZ・ROCK・POP・REGGAE・CLASSICなどオールランド)、TV鑑賞(ガイアの夜明け・カンブリア宮殿・たけしアートビートなどがお気に入り)、ウォーキング。