
会場では、ポスター作品も多数展示されていたのですが、ちょうどMacが出現する直前の時代で、サンセリフ体を中心としたタイポグラフィでまとめられたデザインが大変なつかしく、しみじみした気分に浸ってきました。
その「サンセリフ体」、日本では「ゴシック体」と呼ばれていますが、本来英語圏では「ゴシック体」は実は別の書体(ブラックレター)を指します。
日本の「ゴシック体」が一般的に使われだしたのは、恐らく活版印刷の普及が始まる明治時代からのことだと思われます。
西洋文明が流入したこの時代に明朝体を欧文セリフ体に見立てたのと同様に、隷書体などをベースに欧文サンセリフ体の影響を受けて生まれたのが「ゴシック体」と言われています。(※1)
そして長い間、本文は明朝体、見出しや強調はゴシック体を使うというのが、デザインの基本とされてきました。
したがって以前に紹介した弊社の1927年製の書体見本帳にもゴシック体の組見本は掲載されています。
1927年の活字見本帳 その4「ゴシック体編」
ゴシック体の特徴は、サンセリフ体のサンがフランス語の「〜がない」という意味であることからもわかるように、セリフという起筆や終筆に撥ねやウロコなどの装飾がなく、縦画と横画の太さが均等であることですが、クラシカルなゴシック体は始筆などにアクセントなどの装飾が見られます。
一方、新ゴなどモダンなゴシック体は、ヘルベチカやユニバースなど欧文のモダン・サンセリフ体の影響を受け、直線部分はあくまで水平垂直に。曲線部分は肉筆のようなオーガニックな線ではなく、円弧やカーブ定規で書くような線に近づけて、モダンな表情になっています。(※2)
余談ですが、モリサワの新ゴは、写研の写植書体「ゴナ」と酷似しているため、双方の訴訟合戦にまで発展した経緯があります。
当時、ゴナの人気は絶大で、この訴訟合戦により、かえって新ゴがゴナに似ているという認識を生み、写植からDTPへの移行期にデザイナーがDTPを導入するきっかけになり、結果、デジタルフォントを推進したモリサワと、写植を固持した写研の明暗を分けたとまで言えます。(※3)
それでは、現在弊社で対応可能なゴシック体のうち主なものをご紹介します。
また上記フォントファミリーの太さバリエーションや、これ以外の弊社の取扱可能フォントについては下記までお気軽にお問合わせください。
株式会社からふね屋【ゆあぶっく】部門
■電話 075-761-1166
■FAX 075-771-8539
参考文献
(※1)ウィキペディアフリー百科事典「サンセリフ」の項
(※2)モリサワウェブサイト/文字の手帖/書体見聞/第2回 新ゴ(下)
(※3)ウィキペディアフリー百科事典「ゴナ」の項
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